トラネキサム酸は、肝斑が改善する薬として効果が認められている成分です。始まりは、抗炎症薬や止血剤として医療の現場で使われてきた、れっきとした医薬品です。患者さんへ蕁麻疹の薬として処方したときに、肝斑の改善があることが分かったそうです。その後、一般用医薬品として新たな効能が認められたといいます。肝斑と診断された患者さんには、トラネキサム酸を自費治療として処方しています。
肝斑の原因の一つは、女性ホルモンのバランスの乱れが関係しているといわれています。トラネキサム酸は、女性ホルモンに影響するのではありません。メラノサイトに働きかけ直接メラニンを押さえ込み、色素沈着を抑制する効果によって改善を促すというものです。安全性は高いとされていますが、副作用としてかゆみ、発疹、食欲不振、吐き気、嘔吐、胸やけなどあげられます。このような症状があった場合には、担当の医師に相談しなくてはなりません。
近年、ドラッグストアでも見かけるようになりましたが、市販薬と医療機関で処方される大きな違いは、主成分の量です。市販薬の場合、1日分の最大量が750mgと決められています。医薬品の場合は、1日分の最大量は2000mgと市販薬の2倍以上の量を含有できます。本気のシミケアをシたいという場合には、医療機関を受診したほうが含有量には期待できますね。